「みやますざか」…かつて富士見坂とも呼ばれていたこの坂一帯は、古くから矢倉沢往還(大山道中)として江戸の町と郊外農村との接続点であったので、ささやかな商人町を形成していました。ここが渋谷宮益町と称されていたので「宮益坂」と呼ばれるようになった。(坂の標識より抜粋)
江戸時代の道玄坂は大山街道の一部として多くの人が往来していました。 当時の道玄坂は現在の道玄坂から世田谷街道に拝って松見坂までを広く呼んだものでした。江戸中期頃より道玄坂とは専らこの坂を指すようになったのです。(坂の標識より)
この道は昔の祐天寺道で、祐天寺を経て碑文谷裏に続く目黒の主要道路であった。 かつてこのあたりは急坂であったため、斜面を切り開く切り通しの工事が何回となく繰り返された。その結果、道の両側の土手はますます高くなり、風雨にさらされた土手からは赤土のかたまりがざらざらこぼれ落ちた。 この状態を目黒の古い方言で“けこぼ”といい、土地の人々はこの坂を “けこぼ坂”と呼んでいた。(坂の標識より)
「ぎょうにんざか」 寛永の頃，出羽（山形県）の湯殿山の行人が，このあたりに大日如来堂を建立し修行を始めました。次第に多くの行人が集まり住むようになったので，行人坂と呼ばれるようになったといわれています。(坂途中にある説明板より抜粋)…坂のほとんどは下目黒1ですが坂の上部のみ品川区上大崎4です。
昔は鍋がころがるほどの急坂であったので、なべころ坂とよぶようになったといわれる。 また、道に粘土が露出した状態を方言で「なべころ」といったことから坂名になったともいわれる。 (中目黒アーバンハイツ入口にある坂の標識より)
紙巻煙草の岩谷天狗商会をおこし、明治に一世を風靡した岩谷松平が晩年この地で過ごしていたことからこの名がついたようです。短く急な坂で、坂上と坂下に石の車止めがあるため自動車は通れません。坂上の車止めには「てんぐ坂」の文字が読み取れます。
「かんのんざか」坂名は、真言宗観谷山聖輪寺の本尊であった如意輪観音像に由来します。観音は当寺の開山とされる行基の作と伝えられていましたが、残念ながら戦災によって焼失してしまいました。「江戸名所図会:によると、身の丈は三尺五寸で両眼は金でつくられていたといいます。(坂の標識より)
目黒通りの目黒新橋から東の目黒駅方面に上る坂です。目黒通りは途中でバイパスに分かれますが、南側の西行き一方通行が権之助坂です。目黒通りの分岐に「権之助坂」の交通標識、目黒新橋脇に東京都設置の碑が立ってます。
恵比寿四丁目交番前から北に下り、途中恵比寿四丁目信号、恵比寿橋南信号を通って恵比寿橋南詰まで複雑に曲がる坂です。坂名はもちろん坂上に旧エビスビールの工場があったことが由来です。坂の標識はありません。
この辺りの地名であった「別所」が由来といわれる。別所坂は古くから麻布方面から目黒へ入る道としてにぎわい、かつて坂の上にあった築山「新富士」は浮世絵にも描かれた江戸の名所であった…(坂名の標識より)
江戸時代の後期、坂上付近に伊予宇和島藩・伊達家の下屋敷があったことから、昭和に入り、この辺りは伊達町と呼ばれるようになりました。・・・社会教育館付近には「伊達坂」の名をを冠したマンションなどがありますが、社会教育館前の都道は伊達坂ではありません。
坂下の菅刈小学校前に立つ坂の標識によると、大坂と新道坂の間(あい) にあるために「あいの坂」の名がついたようですが、新道坂(駒沢通り)とはかなり離れているので違和感があります…。しかも新道坂より手前に「目切坂」「上村坂」もあるし……。
目黒の古い方言で、風雨にさらされ地面に穴のあいた状態を「ばくろ」といった。この坂にはこの「ばくろ」が多かったので，ばくろ坂とよぶようになったといわれる。馬喰とはあて字であろう。(坂の標識より)
坂の名は南平台町に由来。道玄坂を上りきったところにある道玄坂上交差点(玉川通り)から南東に200mほど進むと見えてくる聖ケ丘教会、この辺りが坂上で、南南東の鉢山町交番前信号まで下る坂です。鉢山町交番前信号を越え再び上る坂は「亀山坂」です。
西参道通りの代々木地域安全センター前信号から西側、首都高4号線をくぐると右側に立正寺がある。この寺の前に「岸田劉生が描いた 切通しの坂」と彫られた黒御影石の石碑があり、ここから南西に下り、その先で再び上坂です。
「まつみざか」この坂から、「道玄物見の松」(土賊の道玄がその松に登って 往来の人を見下ろし手下に命じて衣服や携帯品を掠奪したためにその名がついた) がよく見えたので、松見坂と呼ばれるようになったといわれる。 また、坂の途中に「松見地蔵」があったので坂の名になったという説もある。 昔はこの坂の北西には、駒場野と呼ばれる広大な原野があったが今はその面影もない。(松見坂交差点の南西の歩道にある標識より)
「みおりざか」三つに折れ曲った形状から三折坂とよばれるようになった。また、目黒不動への参詣者がこの坂を降りていくので「御降(みおり)坂」とよんだともいわれる。(坂の標識より抜粋)……目黒不動尊の西側を北に上る坂です。
「おおさか」厚木街道(江戸から厚木まで)の間にあった四十八坂のうち、急坂で一番大きな坂であったので大坂とよぶようになったといわれる｡ この坂標識の北側の坂が旧道で、南側の坂が新道である｡ (坂上にある標識より)…
旧衾村の字「谷畑」にあることから谷畑坂と呼ばれた。この坂下はかつて湿地で鷺草が自生していた。またこの道は、二子道（現、目黒通り）から九品仏方面への道として耕地整理以前から現在に近い形で、直線的にあった古道であった。（坂標より）
