江戸時代、坂下の宗林寺付近は蛍沢と呼ぶ蛍の名所であった。坂名はそれにちなんだのであろう。『御府内備考』では「宗林寺の辺も螢沢といへり」と記し、七面坂南方の谷へ「下る処を中坂といふ。」と記している。中坂とは三崎坂と七面坂中間の坂なのでそう呼んだ。三年坂の別名もある。…坂下にある坂の標識より
「あかじざか」...は「明治坂」と書く。別名「 赤字坂（あかじざか）」...坂上一帯に日本橋で「明石屋」という乾物屋を営んでいた明治の財閥・渡辺治右衛門の邸宅があった。渡辺治右衛門は通称「明石屋治右衛門」呼ばれており、それが略されて「明治［あかじ］」と呼ばれたことが坂名の由来とされる。
谷中霊園の東側、JRの線路を越える跨線橋までの緩い坂。跨線橋が架かる前、踏切だった頃までは現在より急な坂だったと思われる。御隠殿とは、慶応6年までこのあたりにあった寛永寺の住職・輪王寺宮法親王の別邸のこと。
「さんさきざか」…「三崎（さんさき）」という地名の由来には諸説あるが，駒込・田端・田中の三つの高台にちなむといわれる。安永二年（1773）の『江戸志』によると、三﨑坂の別名を「首ふり坂」といい、三十年ほど以前，この坂の近所に首を振る僧侶がいたことにちなむという。…坂の中程にある標識より。
